ワインの飲み頃について
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作成日時 : 2007/09/12 08:32
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“飲み頃”については多くの意見がもちろんあり、これが絶対的だというものはない、と私は思っています(ヒュー・ジョンソン氏やパーカーさんの意見ももちろん参考にはしますけれど)。
しかし、“飲み頃”というのは実際にはよく聞く言葉です。今回はそんなところについて語ってみたいと思っています。
@ワイン自体の飲み頃を見分ける場合(ワイン自体の違い)
これはそのワインのタイプや品種や造られ方、育て方によって、おいしく感じられる時期がまちまちなので、それぞれ一本づつ細かく見ていく必要があります。
96年のブルゴーニュの白などは“この年に多く見られる典型的な酸”が酒質を守っているためなのか、いまだに味わいに細かいほぐれ方を見せていないものもありますし、逆に暑かった2003年産の中には、予想外に早く柔らかくなって、育ちが早いものもいます。
このようにそれぞれのワインについて、さらに細かく言うと、同じ作り手の、同じ産地のものでも、実際にはボトルによる差というものが存在してくるわけです。
Aお客様それぞれがイメージしている飲み頃について。(ゲスト一人ひとりの違い)
さてさて、今度はゲストの方自身の飲み頃のイメージについてです。
ワインの授業を始める際に、私がよく訊く質問に、「あなたにとって甘い果物とは何でしょう?」というのがあります。バナナ、イチゴ、メロン、パパイヤなどさまざまな意見が出ます。もちろんみんな正解です、だって甘いんですから。甘い果実だけでもこんなにバラエティーがあるのです。このワインは少し甘みがあるね、といったときにもこれくらい個人差があるのかもしれません。
強くしっかりとしたワインが好みで、普段はカリフォルニアを多く飲んでいる、というゲストの方は、少し若い感じのタンニンをおいしい(飲み頃!)と思われるでしょうし、実家がイギリスにあって、昔からポートワインを飲んでるような家庭に育った方(?)は、「(飲み頃って)やはり細かい滑らかな味わいでなくちゃね」って、おっしゃるだろうし。
甘い果実とは何かという質問に対する回答と同様に、ワインに対しての感想も、実際には皆さんが思っているほど一定ではないなー、と私自身は感じることが多いのです。
つまりみんなそれぞれかなりの個人差があり、その中での共通項を探して、毎回ごとの食事やゲストに対してワインを選んでいく、というのがソムリエの役割なのですが、そのときのゲストが普段どんなワインを飲んでいるのか? という各個人の経験によって、飲み頃感というのはみんな違うように感じています。
Bソムリエ自身の飲み頃判断(ソムリエの個人差)
日本でもフランスでもあまり大きな差はなく、口に含んだ際のタンニンの乾き具合で判断する人や、飲んだ後に残る後味の甘みの残り具合で判断する人などを見てきましたし、ソムリエ自身もそれぞれのやり方があるのです。
C総合すると
さてこれだけの要素をまとめていくうえで私自身が気をつけていることとして、ソムリエとしての経験と、ワインに対する知識と、謙虚な気持ちと、体調、コンディションなどを総合したうえで、このワインの飲み頃とは? と判断していくように心がけています。
私自身は「飲み頃を過ぎた」という表現はあまり好きではなく、「やさしく穏やかな味わい」とか、「染み込みの楽なタイプ」など、何とか良いところが見つかればという気持ちや、説明の仕方でワインと接しています。
夏の疲れが出やすいこの季節、おだやかな、やさしい味わいのワインが、私自身にとっての“このワインの飲み頃”ではないのかと感じるからなのです。
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